【第8回 小数と分数の起源】数学科 髙木佑将先生 | 東明館中学校・高等学校
◆教員リレーコラム◆
第8回の担当は・・・髙木佑将先生(数学)
お題『小数と分数の起源』
<小数・分数の概念>
「整数(自然数)は神様のつくったものだが、他は人間のつくったものである」。ドイツの数学者であるレオポルト・クロネッカーの言葉です。自然数は人類が地球で生活する上で自然発生したものだが、分数・小数などの数は人類が作ったものであるということです。では、小数・分数は誰が作ったのか。その起源は古く、それらの考え方を最初に使ったのは、古代バビロニアの人達です。古代バビロニア人は、一つのものをいくつかに分ける必要から、分数の概念を生み出しました。そしてそれを追うように、小数が作られました。
<以前勤務していた学校での話>
次の話は、私が初任で勤務することが決まった私立高校に、大学4年の3月に野球部のコーチとして先に指導に行っていた時の話です。
練習後、ネット補修を指示しているときの会話
私「部員A(個人名)、この枝の3/2ぐらいの長さにひもを切って、どんどん持ってきてくれ」
A「わかりました!」
私「ちなみに、3/2を小数で表したら?」
『馬鹿にしないでくださいよ!』と言われるかと思っていると・・・
A「え・・・・わかりません」
おまえさっき「わかりました!」って言ったやん。それがわからずどうやって切る。
私「B、3/2を小数で表したら?」
B「え・・・0.15ですか?」
なぜ1より小さくなる・・・。
私「C、3/2を小数で表したら?」
C「先生、何言っているんですか」
ほっ・・・ようやくいたか
C「分数は分数でしょ!!」 ・・・。
4月からこの子たちに三角関数や指数関数を教えるのかと、途方にくれた思い出です。頼むから、約3000年前の古代バビロニア人に負けないでくれ・・・。
参考文献
『人間がつくった最初の数 -分数の起こりを考える数学的活動をつくる-』 上越教育大学 伊達文治