【第17回 自分の中の誰か】国語科 行武英治先生 | 東明館中学校・高等学校
◆教員リレーコラム◆
第17回の担当は・・・行武英治先生(国語科)
お題『自分の中の誰か』
好き勝手に話していいと言われたら、私は何を話せばいい?
コラムの依頼が来たときに、ふとそんなことを考えた。
私は友人からは自由な人間だとよく言われる。昔からマイペースだと言われ続け、それを決して誉め言葉とは思っていないが、その評価に安住している。私が好き勝手にやっているのを他人がそんな人だからと許容してくれるのはありがたいことだと思う。
しかし、実際には私は自由ではない。好き勝手にやっていいと言われると、必ず私の中の誰かに何をしたらいいか尋ねてからしか行動できない。その誰かは、規範君であったり、体裁君であったり、そんな頭の固そうな人たちである。しかも、彼らとのやり取りは、自分の意思を確認するようなものではなく、許されるものは何かを探す、非常に窮屈なものであり、そこで俎上に挙げるのも最初から無難なものばかりを並べている。
だから私は自由にやっていいと言われるのが一番困る。その瞬間に自分自身でがんじがらめになってしまう。
その束縛から抜け出すためにはどうしたらいいか。教師としての私は自分が本当にやりたいと思う、一番好きだと思えることを探しなさい、と言うだろう。
すると私はこう答える。
この世に魅力的なことが多すぎて、好きなことを一つだけ選ぶことなんてできないよ。
これが凡人を凡人たらしめる理由なのでしょう。
毎週金曜日更新! 次回は森恵美先生(事務) お題は『Pay it forward』です。